2012年11月1日木曜日

ヒクイドリ Southern Cassowary

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 このバードワールドの盟主といえばこの鳥であろう。
 「ヒクイドリ Southern Cassowary」




● ヒクイドリ Southern Cassowary


 Wikipediaには日本語情報で詳細にこの鳥の解説が載っている。


ヒクイドリ(火食い鳥、食火鶏、学名:Casuarius casuarius)は、ダチョウ目ヒクイドリ科の飛べない鳥の一種。
英名 Southern Cassowary

 ヒクイドリはインドネシア、ニューギニア、オーストラリア北東部の熱帯雨林に分布し、オーストラリアでは標高1,100 m以下、ニューギニアでは標高500m以下に好んで生息する。
 かつてはもっと広範囲に生息していたと推測されているが、他の走鳥類と同様、熱帯雨林の減少と移入動物の影響により個体数が減少しており、絶滅が危惧されている。
 森林が減ってきていることから、雛が生き残る確率は1%以下という研究結果も発表されている。


 和名は「火食鳥」の意味であるとされている。
 火を食べるわけではなく、喉の赤い肉垂が火を食べているかのように見えたことから名づけられたとの説が有力である。
 一部の文献では
 「ヒクイドリは真っ赤になった石炭を食べるからその名が付いた」
 と紹介しているものもあるが、そのような習性は一切確認されていない。

 日本にもたらされたのは、江戸時代初期の寛永12年(1635年)に、平戸藩により幕府に献上されたのが最初である。
 記録には「陀鳥(だちょう)」とあるが、明らかにヒクイドリのスケッチが残されている。
 その後もオランダの貿易船により持ち込まれた。
 黒い羽毛、赤い肉垂、青い首に大きなとさかと、特徴的な外見を持つ。

 ヒクイドリ科の中では最大で、地球上では2番目に重い鳥類で、最大体重は85キログラム、全長は190センチメートルになる。
 一般的な全長は127-170cm、メスの体重は約58kg、オスの体重は約29-34kgである。
 やや前かがみになっていることから体高はエミューに及ばないが、体重は現生鳥類の中ではダチョウに次いで重い。
 アラビアダチョウ(Struthio camelus syriacus)およびニュージーランドのモアが絶滅して以降はアジア最大の鳥類である。
 頭に骨質の茶褐色のトサカがあり、藪の中で行動する際にヘルメットの役割を果たすもの、また暑い熱帯雨林で体を冷やす役割があると推測されている。
 毛髪状の羽毛は黒く、堅くしっかりとしており、翼の羽毛に至っては羽軸しか残存しない。
 顔と喉は青く、喉から垂れ下がる二本の赤色の肉垂を有し、体色は極端な性的二型は示さないが、メスの方が大きく、長いトサカを持ち、肌の露出している部分は明るい色をしている。
 幼鳥は茶色の縦縞の模様をした羽毛を持つ。
 他のダチョウ目の鳥類と同様に、大柄な体躯に比して翼は小さく飛べないが、脚力が強く時速50km/h程度で走ることが出来る。
 3本の指には大きく丈夫な刃物のような12cm の爪があり、鱗に覆われた頑丈な脚をもつ。
 性質は用心深く臆病だが意外と気性が荒い一面がある。
 この刃物のような鉤爪は人や犬を殺す能力もある。


 食性は果実を中心とした雑食性で、森林の林床で落ちている果実を採餌し、大きな種子を持った果実でも啄ばんで丸呑みする。
 1日に5kgの餌を必要とし、そのために1日に20kmも歩き回る。
 他の動物へは毒性を示す果実を安全に消化する能力がある。
 果実と一緒にのみ下された種子は糞と共に排出される事で芽吹きが早まり、またヒクイドリの移動とともに広範囲に種子が散布されるので、ヒクイドリの果実食の習性は彼等が生きる森林を維持するのに重要な役割を担っている。
 また菌類や昆虫類、小さな甲殻類も捕食する。

 ヒクイドリは単独性の鳥で、6月から10月(晩冬から春)にかけての繁殖期にのみつがいを形成する。
 オスは地上に、草本植物を使って5-10cmの厚さで、幅が最大100cmほどの巣を作る。
 これは卵の周辺から水分を排出するのに十分な厚さである。
 メスは卵を産むのみで、産卵後は別のオスを探しにその場から消える。
 メスは135x95mmの大きさの卵を、1回に3から4つ産卵する。
 卵は表面がざらざらしており、最初は明るい薄緑色で、時を経るに連れ色あせていく。
 オスが卵を抱卵し、雛を単独で育てる。
 卵が孵るのはおよそ2ヵ月後で、充分な餌が取れないオスはその間、体重が5kg前後減る。
 雛は産毛もなく、トサカは生えかかった程度である。
 雛にとってオオトカゲが天敵で、オスはオオトカゲを威嚇して追っ払う。
 成長したトサカが生えるまで3、4年かかる。
 繁殖期の間、とどろくような鳴き声やシューという鳴き声、もしくはゴロゴロというような鳴き声を発する。
 幼鳥はオスを呼ぶために高い音程の口笛のような鳴き声を頻繁に発する。


●ヒクイドリの卵


ヒクイドリの幼鳥

 
ヒクイドリの若鳥






 英文Wikipediaから。



 南部ヒクイドリはオーストラリア、クイーンズランド州で危機にひんしている。
 Kofronとチャップマン(2006)は、この種の減少を評価した。
 彼ら述べるところによれば、その原因は生息地の喪失と断片化が減少の主な原因である。
 彼らはヒクイドリ死亡140例を調査した。
 自動車との衝突は、それらの55%を占めており、
 犬の攻撃は別の18%を生産していることがわかった。
 その他の死因は狩猟(5例)、ワイヤのもつれ(1症例)、ヒト(4例)、結核(4例)など、自然の原因を(18例)、攻撃したcassowariesの除去が含まれていた。
 14例では、未知の理由であった。
 人間の侵入によって、ヒクイドリの生息地は住宅地郊外となり、そのことが彼らの生存に大きな脅威を与えている。
 そこでは、鳥が車や犬の影響を受けやすくなります。
 人間との接触は、ピクニックテーブルから食べ物を取ることによって起こっています。
 また野生化したブタも大きな問題となっている。
 彼らは巣と卵を破壊しますが、その最悪の影響は数を減らしているcassowariesにとって、大惨事になる恐れがあります。
 2011年2月にオーストラリアに上陸したサイクロン・ヤジ(Yasi)はオーストラリアの人口の約10%、そして鳥類の200を危険にさらし、またヒクイドリの生息地の広い面積を破壊しました。


 図鑑から。

 
 
 









 ポピラーな解説はこちらがいい。

ようこそ!ヒクイドリの住む森へ
http://cassowary.blog.shinobi.jp/

 オーストラリアで絶滅危惧種に指定されている、「ヒクイドリ(サザンカソワリー;Casuarius casuarius)」の生態・現状・保護の取り組みを紹介するサイトです。
(最終更新日:2012年3月5日)

[ヒクイドリってどんな鳥?]

ヒクイドリ(オーストラリアでは「カソワリー」として有名)ですが、どんな鳥かご存知ですか?
ヒクイドリ(カソワリー)は世界で3番目に大きな飛べない鳥。
体の高さは1.5~2mまで成長します(さすが、世界3位!)。

しかも、大きいだけではなくて、恐竜時代を少し思い起こさせるユニークな鳥です。
写真を見ると一目でわかりますが、ヒクイドリの特徴は、体は黒い毛でおおわれていて、首まわりは青がメインですが、赤い部分もあり、キレイなコントラストになっています。
頭にはトサカがあり、目も特徴的。

さらに、足も太く、ツメも鋭く大きいことから、ギネスブックにも登録されています。
世界で1番危険な鳥として!!
 ただ、実際のヒクイドリはそんなに危険ではなくて、人を見ると逃げていきます。
もちろん、幼鳥(子どものヒクイドリ)を連れているヒクイドリに会った場合は攻撃される可能性もあるので注意が必要です。
ちなみに、世界で1番大きな鳥はダチョウ、2番目に大きな鳥はエミューです。

[こに住んでいる?]

ダチョウやエミューが乾燥した大地を好むのと対照的に、ヒクイドリは熱帯雨林に住んでいます。
特に、オーストラリアの熱帯雨林は、ヒクイドリ(サザンカソワリー)の住みかとして重要です。
この熱帯雨林は、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されていて、1億年以上の歴史がある世界最古の熱帯雨林の1つと言われています。

面積は約90万ヘクタールあって、オーストラリアの面積の約0.1%しかありません。
しかし、その0.1%の面積に、多くの生き物が暮らしています。
この地域の熱帯雨林を管理する組織によると、オーストラリアに住む鳥類の50%、哺乳類の36%が住んでいるそうです。
まさに生物の宝庫といえます。

[熱帯雨林に欠かせない鳥]

数多くの動物や植物が熱帯雨林を住みかとしていますが、特に、重要な役割を果たしている動物の1種が、このヒクイドリ。

さて、質問です。

ヒクイドリはどういった役割を果たしているんでしょうか?
ちょっと考えてみてください~。

 ヒントは「ヒクイドリは果実や木の実を食べる鳥」。

 答えは、森を豊かにするのに役立っているのです。
ある研究によると、ヒクイドリは100種以上の植物の果実や木の実などを食べているそうです。

 で、ヒクイドリが移動した先でフンをすることで、そこから新しい木が生えてきます。
そうやって、いろんな場所で生えることによって豊かな熱帯雨林が形成されてきました。

もちろん、植物は自分で種を飛ばすこともありますが、こういうように、動物に運んでもらうことも多いそうです。
動物と植物のちょっといい関係ですね。

[ヒクイドリは絶滅危惧種]

 ヒクイドリは熱帯雨林を維持するために重要な役割を果たしていると書きました。
でも、ヒクイドリは現在、かなり数が減っています。

ヒクイドリは全部で3種類いるのですが、その3種類ともIUCN(世界自然保護連合)のレッドリストに登録されてしまっています。

特に、オーストラリアに住むヒクイドリ(サザンカソワリー)は、オーストラリア国内で絶滅危惧種に指定され、保護の対象となっています。

 それもそのはずで、1999年後半には、オーストラリア北東部の熱帯雨林に住むヒクイドリは900羽まで減ってしまいました(パンダよりも少ない状況!)。

 この地域の熱帯雨林は縦長で、しかも、ところどころが途切れているため、ヒクイドリの移動も簡単ではありません。
 そのため、地域ごとに隔離されているような状況です。

 たとえば、ミッションビーチと呼ばれる周辺にも熱帯雨林が残っているのですが、大人のヒクイドリは40羽ほどしか生き残っていないとも言われています。



 検索していたら情報サイトで知られている『Gigazine』に載っていましたのでこれもコピーしておきます。

Gigazine 2011年02月15日 09時30分48秒
http://gigazine.net/news/20110215_cassowary_alert/

■人間のはらわたを引きずり出すパワーの持ち主、オーストラリアの怪鳥「ヒクイドリ」とは




 今月初めの超大型サイクロン・ヤジ「Yasi」による被害を受けて、生息地を追われたヒクイドリが人を襲う危険があるとして、クイーンズランド州政府は地元住民に注意を呼びかけています。

 2007年には「世界で最も危険な鳥」としてギネスブックに登録されたというこの「ヒクイドリ」とは、一体どんな鳥なのでしょうか?

★詳細は以下から

Australians hit by Cyclone Yasi warned to stay away from deadly giant birds - Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/australiaandthepacific/australia/8318367/Australians-hit-by-Cyclone-Yasi-warned-to-stay-away-from-deadly-giant-birds.html

 オーストラリア北部の熱帯雨林に生息するヒクイドリは現生の鳥類のなかでダチョウに次いで大きく、大きいものでは体高約1.9m、体重63kgほどになります。
 その体重を支え時速50kmほどで走ることができるパワフルな脚力で繰り出されるキックは、鋭く硬いスパイクのような長さ12cmのツメもあって、人間や犬、馬などの動物を一撃で倒し内臓を引きずり出すことができるほどの威力と言われています。


●道路を横切るヒクイドリ

 ヒクイドリはダチョウやキーウィと同じ飛べない鳥の仲間古顎類に含まれ、同じオーストラリアに生息するエミューとともにヒクイドリ目を形成します。
 熱帯雨林の減少と移入動物の影響により絶滅の危機に瀕し、オーストラリアでは野生の個体は1000羽ほどしか残っていないと言われています。
 エサは主に果実を食べ、用心深く臆病(おくびょう)な性格なのですが、危険を感じると攻撃的になり、
 「襲われたら襲い返す」
というような気性の荒い一面も持っているとのこと。


●オランダの動物園で撮影されたヒクイドリの親子。
 ヒクイドリのメスは卵を産むと次の繁殖相手を探しにいくため、抱卵も子育てもオスが単独で行うそうです。

 サイクロンにより生息地である熱帯雨林が破壊され、エサとなる果実が木から飛ばされてしまったため、ヒクイドリたちはエサを求めて人間の住む場所までさまよい出てくることが予想されています。
 住宅地への接近を防ぐため政府ではヒクイドリに生息地へ空からの食料補給を計画するとともに、クイーンズランド州北岸のミッションビーチ近辺の住民に対し、「ヒクイドリにエサを与えないように」と注意を呼びかけています。


●「ヒクイドリ出没注意」の道路標識。

 今回のサイクロンで破壊された熱帯雨林が回復するには18カ月かかると試算され、その間に多数のヒクイドリが餓死すると予想されるそうです。
 しかし、一般市民が遭遇したヒクイドリにエサを与えることは、長期的に見るとヒクイドリの存在を脅かすことにしかならないだろうとのこと。 
また、エサを与えようと近づいた際に襲われる危険があるほか、「人間に近づけばエサをもらえる」と学習したヒクイドリが、進んで人間に近づき攻撃するようになるという可能性もあります。

 保護しなければいけない絶滅危惧種であるとともに、人間や家畜に害をなす害獣となりかねないという一面もあるヒクイドリ。
 しかし、ヒクイドリにより人間が殺されたという事例は、これまでに1件、1926年に報告されたのみとのこと。
 当時16歳のフィリップ・マクリーンという名の少年が、兄弟とともにヒクイドリを殴り殺そうと攻撃したところ、ヒクイドリは応戦、フィリップ君に突進して突き倒し、鋭いツメで首を切り裂いたそうです。




[ケアンズの野鳥]



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